旧キット1/144ズゴックを世界一簡単にカッコよくする方法

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旧キット 1/144 ズゴックを簡単に固定ポーズでプロポーション良くする方法を解説します。発売から数十年経った懐かしキットですがそのまま制作すると流石に現在では厳しいモノがあります。

この記事ではキットの問題点を論理的に分析し、どうイジってやればカッコ良くなるかを考えます。

まずは完成写真から

キットの持ち味を活かすため、パーツの形状は「一切」変えていません。

このキットの問題点

このキットは実はパーツ形状はほぼ完璧と言ってもいいぐらいの出来なのですが、ただ一箇所膝関節のせいでプロポーションが台無しとなっています。

腿のピンを足パーツで挟み込む構造で、膝の曲げ伸ばししか出来ません。これのせいで足が「ガニ股」になっているのがかっこ悪い原因です。

どう頑張ってパーツの形状を変えても膝関節をどうにかしないと絶対にかっこよくなりません。かっこいいロボットの足は膝の曲げ伸ばしだけではなくつま先をハの字に開くための回転も必要だからです。

さらに地面にピッタリ足を接地し、立っている状態がカッコいいとされています。足首の関節が直角のままでは足をハの字に開いた時ぴったり地面に接しないので、地面と足の間に隙間ができ、オモチャっぽくなります。足首の関節もこのままではだめです。

固定ポーズで旧キットプロポーションを改善するのに適した方法に「金属線接続」があります。複雑な関節機構を用意する必要がなく、あとで細かい調整が容易にできる方法です。今回ズゴックのプロポーション改善にもこの方法を使用しました。

使用する金属線はアルミ線をおすすめします。ステンレス線でもいいですが固くて切断が大変なので。

作業開始

膝関節は不要ですので内部のピン受けをすべて切り飛ばしサンダーで削り落としました。腿側の関節ピンも不要なのでカットします。
金属線を足内部に仕込みます。太さは1.5mmを使用しました。
金属線の出る位置と方向は必ず左右で対象にします。そうしないと左右のパーツの接続位置が変わるのでポーズが決まらなくなります。
足パーツ内部にπ21.0、厚さ1.5mmの円形のプラバンを仕込み、中心に穴を開けてこれを金属線受けにします。このプラバンが腿パーツの位置も決めてくれます。
腿のパーツの膝関節部分のピンを切り飛ばして、凸形状になった部分をエポキシパテで形状を延長整形しておきます。この部分は完成後、後ろから丸見えになるので加工しておいたほうがいいでしょう。もちろんやらなくても自由です。

金属線を差し込む穴を開け、膝関節位置を決めます。

股関節はキットのパーツを流用します。緑線でカットし、接着剤でガチガチに固定し青線のように金属線を差し込む穴を開けます。左右で位置がずれないように必ず対象に穴を開けます。
腿パーツの股関節。本来股関節パーツを挟み込む穴は経が4.1mmなので4.0mmのプラ棒を挟み込みます。
プラ棒に金属線を入れる穴を開けます。
組み立ててプロポーションをチェックします。多少の左右の誤差は金属線を曲げたりして微調整します。足の長さが微妙に違ったりした場合、プラパイプ等で作ったスペーサーを金属線に通し、高さを調整してバランスを取ります。

この段階で各部関節がユルユルでしょうが、その遊びこそがプロポーションをバッチリ決める為の調整しろとなります。

完成時に木工用ボンドやタミヤクラフトボンド(中身は全く同じ)で固定しますので問題ありません。

腕のパーツです。肩関節は問題ありませんのでキットそのままです。腕の関節は体側に曲げる関節はあるのですが前方に曲げる関節がありません。カッコいいロボットの立ちポーズでは軽く腕を曲げた状態がカッコいいので、ここも金属線接続にします。
腕の先端、爪が生えているパーツ(33)は通常は同じ色で塗装するので後ハメ加工は必要ありませんが、凸部分を削るだけで後ハメ可能になるので塗装の色に関わらず分割して塗装できるようにしたほうが仕上がりが綺麗になります。
合わせ目を消してサーフェイサーを吹いた状態。鉛筆でモールドを書き込み試行錯誤しましたが今回はシンプルにキットの良さを活かそうと思い最小限にしておきました。

後は塗装し、完成です。関節各部がユルユルだと思うので木工用ボンドやタミヤクラフトボンドで固定します。瞬着と違い、あとでまた修正できたりするのでちょっとポーズを変えられるのも魅力です。

以上、世界一簡単に旧キット 1/144 ズゴックをプロポーションよくする方法でした。

終わりに

個々のパーツの形状はものすごく良く、関節の位置と付き方が悪すぎて残念なキットが旧キットにはたくさんあります。ガンプラ技術もそこまで発展しておらずプラ以外のマテリアルも使用されていないため、可動のための関節を仕込むためにプロポーションが犠牲になっているものと思われます。

しかし当時のガンプラキッズ達は自分が作ったガンプラがポーズを取れる程可動することに感動し、40年経った現在もその熱は冷めていないことを考えればそれはそれで正解だったのかもしれませんね。